
こんにちは。キャリアカウンセラーのかとうじゅんこです。
近年「自分軸」という言葉を見聞きすることが増えてきました。
それだけ、「自分」を見失っているかたが多いのだと思います。
他人軸で生きていて辛いというあなたへ
他人軸で生きている人は、実はいらっしゃらないと私は思います。
「私はこれまで他人軸で生きてきてこんなに辛いのに、このカウンセラーは何もわかってない!」
そんなあなたに伝えたくて書いています。
どうか、そんなかただけ、今回のブログを読んでください。
大丈夫。
あなたもわたしも、「自分」を生きています。
アドバイスは役に立たない
突然ですが、わたしのカウンセリングスタイルについて少し触れておきます。
私は基本的にはセッション中にアドバイスをしないように細心の注意を払っています。
より正確には、「十分な理解のないままアドバイスはしない、安易で性急なアドバイスはしない」ようにしています。
特にカウンセリングやコーチングでは、アドバイスは役に立たないからです。
むしろ害悪になることが多いからです。
専門家からのアドバイスが欲しいからお金を払ってまでセッションを受けるのに、
と思われるかたもいらっしゃるでしょう。
法律や税務、医療、情報関連技術、学術研究等その他の分野ならば、
厳格なルールや先進の技術が存在し、素人では全く知りえないことや、
便利な技術の上手な利用方法についてアドバイスを受けることはとても有益です。
しかし、カウンセリングやコーチングは違います。
お取り扱いするのは「あなた」。
しかもあなたの「こころ」や「これまでの人生」です。
(人生には、学校、就職、仕事、人間関係、恋愛、親子関係など、
さまざまな内容を含んでいます。
これらがあなたのこころにさまざまな影響を与えています。
快適な影響も、不快な影響もどちらも含みます。)
セッションでは、どんなことでもおはなしいただけるように心がけていますが、
約60分間の対話で、あなたのこれまでの人生の「すべて」をお話しいただくことは、
ほぼ不可能と言えます。
あなたのこれまでの人生は、そんなにちっぽけなものではないからです。
つまり私は、あなたの「すべて」をそうそう簡単には知り得ないわけです。
知らないから何も言わない、というのではありません。
おはなしされる事柄、お気持ちはもちろん、
そのかたがお悩みの事案についてどのように悩んで、
どのように苦しんでいらっしゃるのか。
ご自分や状況についてどう受け止めているのか。
これからどうしていきたいのか。
どのようなことに価値を置いていらっしゃるか、どのようなことを大切になさっているか。
こういったことをしっかりお聴きし、理解することに努めています。
そして、その理解に基づいて、ご一緒に考えていこうというのが私のセッションです。
※私のカウンセリングセッション、コーチングセッションにおいて、
まったくアドバイスを行わないということではありません。
十分におはなしを伺ってから、アドバイスを行うことがあります。
またキャリア形成支援のセッションでは、十分におはなしを伺い、
積極的に情報提供を行うことがあります。
他者から理解されること。変容は、理解から始まる
こういったカウンセリングを受けることで、
あなたの抱える苦悩は鎮まり、
抱えている悩みについて少しずつ考えていくことができるようになります。
自分に向き合う静かな勇気が湧いてくるのです。
そして
自分自身を理解するための自己探求が始まり、自己理解が始まります。
(自己理解については過去のブログ「自己理解の重要性とは」も参考になさってくださいね。)
自己理解の深まりとともに、自己を受容できるようになっていきます。
自己受容が始まると、いよいよ変容が始まります。
自己受容できることで他者をも受容できるように変容し、人生そのものが変容していきます。
私はあなたのことを受け止め、深く理解します。
その理解から、すべてが始まるのです。
変容はアドバイスからは始まらないのです。
変容は理解から始まるのです。

思い出してみてください。
悩んだとき、他人からアドバイスを受けたときのことを。
そのアドバイスいいね!と思った回数よりも
「この人、なんにもわかってない」と感じたことのほうが多いのではないでしょうか。
無理もありません。
お相手はあなたのすべてを知ったうえでアドバイスしているのではないからです。
(まるで知っているかのような態度でアドバイスをくださるお相手の話は、不要なら聞き流しましょう。)
あなたのすべてを知らずになされたアドバイスは、ほとんど役にたちません。
あなたのすべては、あなたが知っています。
自己を理解するには、理解してくれる他者が必要
「そんなことはない。『自分のことは自分がいちばんよく知らない』と言うじゃないか」
というご意見がありそうですね。
そのとおりです。
自分のことはなかなかわからないものです。
だからこそ、自分のことを理解するために、
自分のことを理解してくれる他者が絶対的に必要なのです。
そして、自分のことをよく知り、理解することを可能にするのが、
あなたのことを正確に理解しようとするカウンセラーなのです。

「アドバイス屋」ではこれはなしえません。
同様に、「同感屋、同情屋」でもこれはできないでしょう。
(同感や同情についてはまたいつかお話しいたしますね。
なお、アドバイスと同じく、同感や同情そのものが悪いというのではないということを申し添えます。)
考えてみてください。
単なる情報(アドバイス)ならこの高度な情報化社会にあふれています。
今や生成AIにお願いすれば、どんな情報も教えてくれます。
ただ情報が欲しいなら、それで十分です。
それでも人が人にアドバイスを依頼するのは、
やはり「人に理解されたい。理解し合える人からアドバイスをもらいたい」と
心の奥で望んでいるからです。
十分な理解のうえでなされたアドバイスは、あなたにとって有益ですし、
あなたも受け入れることができますよね。
受け入れられれば、アドバイスの内容を実行できますよね。
反対に十分な理解のないままされた安易な、性急なアドバイスでは、
あなたは受け入れることができないでしょう。
受け入れられなければ、アドバイスは役に立たないどころか、害悪になるでしょう。
「この人、なんにもわかってない」と。
私が、十分な理解のないままアドバイスはしない、
安易で性急なアドバイスはしないというスタイルをとるのは、
以上のような理由からなのです。
他人軸など存在しない。自分に気づき、取り戻せばいい。
前置きが長くなりました。
冒頭で「あなたもわたしも『自分』を生きています」とお伝えしました。
もしあなたが「そんなの受け入れられない」とお感じになるなら、
この結論(アドバイスとも言うかもしれませんね……)を受け入れられない
深い事情を抱えてこれまで頑張ってこられた、ということだと私は思います。
私はそんなあなたのおはなしをお聴きしたいのです。

どうか、「他人軸で生きてきた」などと、ご自分のこれまでを否定しないでください。
今回私がもっともお伝えしたいのはこのことなのです。
あなたのこれまでの人生も、かけがえのない大切な人生なのです。
どうか「他人軸」などという、甘いうその言葉に流されないでください。
あなたに「他人軸」なんて存在しません。
また「他人軸」などという、存在しないものと闘う必要もありません。
あなたに「他人軸」が存在しないのなら対極の「自分軸」についても考えなくていいのです。
これも今回強調したい点です。
あなたはすでに「自分」を持っています。
あなたはこれまでも、ずっと「自分」を生きてきました。
ただ、それに気づいていないだけです。
または、「自分」から遠く離れてしまって、「自分」がどんなふうだったか思い出せないだけです。
これまでの人生も、
他人軸なんてもので生きてきたのではない、
どんな自分も自分だったのだと気づくことです。
あなたはただ、自分に気づくことが必要なだけです。
気づき、自分を取り戻してください。
自分に気づき、自分になり、自分であり続けてください。
簡単なことではないかもしれません。
そして、簡単ではないからこそ、気づいたとき、人生が大きく変容します。
「それでも私は他人軸を生きてきた……」というあなたへ
「それでも私は他人軸を生きてきた……」というかた。
「自分を生きている」とは言えないその深いご事情について、カウンセラーにはなしてみませんか。
どうか「あなたとみち応援室」へご相談ください。
あなたが心から「自分を生きている」と言えるよう、カウンセリング等でお手伝いします。
大丈夫。わたしはあなたを否定しません。
「それでも私は他人軸で生きてきた……」
そのお気持ちを否定することは私にはできません。
まずここから始めていきましょう。
わたしはキャリアカウンセラーとして、相談に来られるあなたを理解します。
あなたを理解する相手と一緒なら、きっと話を進めていくことができます。
これまでのこと、これからのことをご一緒に考えていきましょう。
