
悩むこと、後悔することって、時間の無駄なのでしょうか。
悩む時間、後悔する時間は無駄だと考え「前向き」「ポジティブ思考」で乗り切りますか?
いわゆる「タイパ」「コスパ」重視の時代においてはそう考えるのも無理はありません。
そして、それがために、悩むこと、後悔することで得られる成果に
目を向けることをお忘れではないでしょうか。
どんな成果があるのか気になるかたは、続きをごらんくださいね。
悩むこと、後悔することって、時間の無駄? -結論- いいえ
いいえ、それは「あなた」にしかできないこと。
いくつかの成果と、時には素晴らしいギフトが用意されていることも。
これはどういうことでしょうか。
悩むこと、後悔することは人にとって当然のこと
「悩んだってしかたがない。前向きにいこう」
「後悔して何になるの?ポジティブ思考が大事だよ」
こんな言葉をよく見聞きしませんか。
そして、実際このように言われたり
心の中で自分自身に向かって言ったりしたことはありませんか。
仕事や学校、家事に育児。
毎日はやらなければならないことが盛りだくさんだと思います。
誰だって忙しい生活の中では、ムダは極力省きたいもの。
いわゆる「タイパ」「コスパ」のいい生活を送りたいですよね。
そしてさらに、日々を「明るく、充実した毎日」にしたい。
誰もが願うことだと思います。
こんなとき、悩みや後悔があったらどうでしょう。
悩む時間、後悔する時間は無駄だと考え「前向き」「ポジティブ思考」で乗り切りますか?
完璧な人間など存在しません。
時には間違ったことをしたと感じたり、選択ミスをしたと感じたりすることもあります。
悩んだり、後悔したりして当然なのです。
短い時間で成果を手に入れることが当たり前の時代になった
移り変わりが速く激しい現代においては、いわゆる「タイパ」「コスパ」を意識することは必要です。
そしてそれを叶えてくれる便利なツールがたくさんありますね。
おかげで「短い時間で成果を手に入れること」が当たり前に可能となりました。
例えば「目的地への移動ルートを知る」とき。
電車なら時刻表を見ますよね。
その昔(平成の半ば過ぎくらいまで……かな?)
時刻表は分厚い紙でできた辞書みたいな冊子が主流でした。
どの時間に乗れば乗り継ぎがスムーズか
そもそも目的地へ行くにはどの電車に乗ればいいかさえ、この分厚い時刻表をめくって調べていました。
時刻表の見方に慣れていない場合は、かなりの時間をかけて調べていたと思います。
「目的地への移動ルートを知る」という成果を手に入れるためだけに
数時間格闘したことも……(で、私なんかは結局分からずに駅員さんに尋ねるパターンが多かったです)。
現代でしたら、乗り継ぎを検索できるアプリもあって、入力さえすれば、
瞬時に目的地までのルートを表示してくれますね。
ものの数十秒かもしれません。同時に運賃だって分かっちゃいます。
このように短い時間で成果を手に入れることが可能になり、それが日常では当たり前となりました。
本当に便利です。
便利ツールに頼れる事柄でしたら、
どんどん利用して時間を有効に使ったほうがほとんどの場合はお得だと思います。
(いやいや、キャンプなんかは便利なガスなどを使わずに炭火やたき火で料理をするから楽しいんだ
というような、あえて時間をかけることはいつの時代になっても残ると思いますし、残ってほしいです)
さて、それでは悩むこと、後悔することは、便利ツールでできるでしょうか。
できませんよね。悩むこと、後悔することは便利ツールではできません。
つまり悩むこと、後悔することはかなりアナログな作業で、
内容によっては長い時間が必要だったり
場合によっては専門家への相談を検討したりするケースもあるでしょう。
そもそも、悩むこと、後悔することで手に入れられる「成果」の部分があらかじめ分かっている、
というケースは少ないでしょう。
このことから、悩むこと、後悔することは非常に「タイパ」「コスパ」が悪いように感じられるかもしれません。
それでもこれは、あなた自身にしかできないことなのです。
悩みぬくこと、後悔しぬくことの成果
自分自身にしかできないことだとしても、何も得られないのだとしたら
冒頭にあるように「悩んだってしかたがない。前向きにいこう」
「後悔して何になるの?ポジティブ思考が大事だよ」ということになるのですが、
大丈夫です。成果があります。
では、どんな成果が得られるでしょうか。
個別の悩みによって得られる成果が異なるので具体には示せませんが
一般的なことで言えば次のことがあると思います。
悩むことや後悔することは、自分を見つめ直し、成長する機会となります。
なぜそのような状況に陥ってしまったのか、原因を分析することで、
同じ過ちを繰り返さないようにすることができます。
困りごとからアイデアを得て新しい商品が生まれるなんてことを見聞きしたことがあると思います。
商品開発に限らず、問題を解決するために、人は新しいアイデアや解決策を考えるようになります。
悩むことや後悔することは、創造性を刺激する効果があるのです。
他者の悩みや後悔する気持ちが理解できる可能性が高まります。
同じ経験は二つとないとしても、少なくとも悩んでいる、後悔していることだけは理解できます。
そしてその気持ちに寄り添うことが可能になります。
悩んだことも、後悔したこともない人は、そういう人の気持ちを理解することは困難でしょう。
どれも、便利ツールからは得難い成果です。
そして最大の成果は次の2つだと私は思います。
悩みや後悔から、自分を知ることができます。
同じような経験をしても、悩む人もいれば悩まない人もいます。
ある経験から悩みや後悔が生まれたとしたら、
そういう悩みや後悔を抱えるあなたとはいったいどういう特徴や個性があるのでしょうか。
あなたは人生から何を求められているのでしょうか。
それを知り、理解し、受け入れるためには、
時として深く悩み、激しく後悔することが必要になることもあります。
そして悩みぬいた先、後悔しきった先に
「自分を知り、理解する。そして自分を受け入れる」という
素晴らしいギフトが用意されていることがあります。
この時点までくると、もしかしたら「悩み」「後悔」ではなく、
それらは「ギフトへのチケット(引き換え券)」だったとさえ感じるかたもいらっしゃるかもしれません。
人は「自分を知り、理解し受け入れている度合いに応じて、他者を理解し受け入れることが可能になる」
と言われています。
別の言いかたをすれば、人は自己を受け入れている度合いでしか他者を受け入れられないということです。
つまり自己を受け入れられるようになればなるほど、他者を受け入れられるようになるのです。
これにより、良好な人間関係がもたらされるのです。
いかがでしたか?
悩むこと、後悔すること。
それは「あなた」にしかできないことです。
そして、あなたにいくつかの成果をもたらし
時には素晴らしいギフトが用意されていることもある「ギフトへのチケット(引き換え券)」かもしれないのです。