やめたいのに、やめられない。
やめなければいけないと思いながら、ついついやってしまうことはありますか?
そんなとき、あなたはどうしていますか?
・甘いお菓子をついつい食べてしまう。
・ベッドに入ってからついついスマホを眺めて夜更かししちゃう。
やめたいと思いながら、やめられない……。
甘いお菓子は食べると幸せな気分になるかもしれませんし
スマホでいろいろな情報に触れるのも好奇心が刺激されて、楽しい気分になるかもしれません。
甘いお菓子もスマホも、必要な時に必要な分だけ取り入れることができたら、いいですよね。
そして、自分にとって必要な分を超えてしまったな、望ましくない習慣だなと感じるときには
「やめなきゃな……」と思うかもしれません。
このとき自分の意志で「今日は甘いものは控えておくか」とお菓子を口にせずにいられたり、
「今日はもうスマホを眺めないでさっさと寝ちゃおう」とスマホを見ないでいられたりしたら、
何も悩むことはありませんよね。
やめなきゃな……と思いながらもやめられないとき、
どうしたらやめることができるのでしょうか。
方法が気になるかたは、続きをごらんくださいね。
方法1:あらかじめ「『代わり』に何を『する』か」を決める
「今日は甘いお菓子を食べないぞ!」
このように高らかに宣言したのにうまくいかなかった経験のあるかたには(私にはあります)、
「『代わり』に何を『する』か」を決めるという方法をおすすめします。
代わりに何をするかを決めるとは、例えば次のようなことです。
・(お菓子を食べない代わりに)「お茶」を「飲む」
・(お菓子を食べない代わりに)「ガム」を「噛む」
・(お菓子を食べない代わりに)「歯」を「磨く」
お菓子に代わって別のものを口に入れるパターンです。
これはあなたも見聞きしたことがあるかもしれませんね。
そして、何か別のものを口に入れずとも、次のようなパターンであっても効果が期待できます。
・(お菓子を食べない代わりに)「推しの動画」を「見る」
・(お菓子を食べない代わりに)「スクワット」を「する」
あなたにとって好きなことで、手軽にそして安全にできることを代わりに行うのです。
え?ホント?そんなことでいいの?と疑いたくなるかもしれませんね。
代わりに何をするかを決めることで効果が見込めるのはどうしてでしょうか。
「●●しない」と考えたとき、人はどうしても「●●」のことを考えてしまう
「いいですか、甘いお菓子のことを考えないでくださいね」
こう言われると人は「甘いお菓子のこと」を考えずにはいられない、と言われています。
つまり自分なりに「今日は甘いお菓子を食べないぞ」と心でつぶやいた瞬間、
すでに甘いお菓子のことを考えてしまっているのです。
お菓子の甘い誘惑がちらついてしまい、これではやめたくてもやめられない、となるのも無理はありません。
そこで、お菓子に代わる「代わりに」の部分をあらかじめ決めておけば、
お菓子のことを考えずに済む、というわけです。
『「●●しない」という動作』を実行することは、とても難しい
「『食べないという動作』をしてくださいね」
こう言われたらあなたはどうしますか?
「『食べないという動作』をするぞ」と一生懸命に努力しようとしても、
では一体どういう動作をすればいいのかと戸惑いませんか?
食べないでその場に座りますか?立ちつくしますか?
食べないで眺めますか?においを嗅ぎますか?
どれも「食べないという動作」ではなく
それぞれ「座る」「立つ」「眺める」「嗅ぐ」という動作ですね。
「食べないという動作」を実行することは難しいと思いませんか。
人は否定形で表される動作を実行することは難しい、と言われています。
勘のいいみなさんはもうお気づきかと思いますが、
このとき「食べないという動作」の代わりに、何を「する」が明らかになっていれば
その動作・行動をすることができるのではないか?ということになります。
・(食べないという動作に代わり)お茶を「飲む」
・(食べないという動作に代わり)推しの動画を「見る」
お茶を飲むという動作も、推しの動画を見るという動作もそれほど難しくはないと思います。
食べないという動作に代わり「する」動作をあらかじめ決めておけば、
それを実行することはそれほど難しくはないというわけです。
それならば「食べるのをやめる」という動作にしたら?
ここでもし、
食べないという動作に代わり「食べるのをやめる」という動作にしたらどうなるでしょうか。
もうお分かりですね。
「やめる」という動作が成立するにはその前に「やっている」という状態があることが前提となってしまいます。
それに、そもそも「今日は甘いお菓子を食べるのをやめるぞ!」と決意し
「やめる」という動作をしようと一生懸命頑張っているけれども、やめられずにいるわけです。
「やめる」という動作で食べるのをやめられるなら、何も悩むことはありませんよね。
つまり「食べるのをやめる」と心がけるよりは
やはり代わりになる別の動作を取り入れるほうが効果がありそうだなということが
ここからもお分かりいただけると思います。
方法2:あなたにとって望ましくない習慣があなたにもたらす肯定的な面をじっくり探し、じっくり考えてみる。
やめたいと思いながら、それでもやめられないとしたら、
そこには必ず何かしら、あなたにとって肯定的な面があるからだと言えます。
甘いお菓子がやめられないとき、
私たちは、健康に悪影響があるかもしれないなぁといった
いわゆる否定的な面を気にしてしまいがちです。
否定的な面が気になるあまり「とにかくやめなきゃ」と
一足飛びに結果を出そうと努力してしまいます。
しかし、どうしてもやめられないのだとしたら、
いったん立ち止まって
「そこにはやはり何かしら自分にとって肯定的な面があるからやめられないに違いない。それは何だろう」
とじっくり考えてみることはできませんでしょうか。
肯定的な面とは、冒頭でお伝えしたように
例えば「甘いお菓子は食べると幸せな気分になる」とか
「スマホで知的好奇心が刺激されて楽しい気分になる」とかといったことです。
ひとくちに「甘いお菓子がやめられない」といっても、やめられない理由は人によってさまざまだと思います。
「幸せな気分になる」のほかにもっと具体的に
「子供時代に行った遠足の楽しい思い出がよみがえるから」かもしれません。
「家族と楽しく過ごしたクリスマスの記憶に触れられるから」かもしれません。
あなたにとって望ましくない習慣が
あなたにもたらす肯定的な面をじっくり探してじっくり味わってみるのです。
そして、じっくりと味わうときには
決して否定せずただじっくりと自分の思いを見つめ、感じ、味わってみてください。
「やめたいのにやめられない」という一見すると否定的な出来事を通じ
あなたにもたらされている肯定的な面に気づくことで
あなたが何を心から求めているのかが明らかになることがあります。
心から求めているものに気づいたら、できる限りで構いません。
それを満たしてみる工夫をしてみましょう。
もしそれが満たされたら、甘いお菓子をやめたいのにやめられない、ということは起こらなくなるかもしれません。
適度に食べ、度を超えそうになる前にやめ、また適度に食べるということが可能になるかもしれません。
例えば、心から求めていたものが「遠足の楽しい思い出にひたること」だったとします。
この場合は当時の写真を眺めてみたり
実際に遠足でおとずれた場所に出かけてみたり
当時のお友達と遠足の思い出を語ってみるのもいいかもしれませんね。
人それぞれ満たしかたは異なると思いますので、簡単にできそうなことからやってみるといいかもしれません。
もし、それらのうちどれも実行不可能ということでしたら
「自分は甘いお菓子を食べることで、あの楽しかった遠足の思い出にひたりたかったのだな」という
正直なあなたの願いを、まずはしっかり自分で受け止めてみてください。
正直なこの願いを直接的に叶えることが難しかったり
(例えばあなたが大人なら、「遠足」というイベントに今から参加することはかなり難しいですし
そもそも楽しかった「あの遠足」はそのとき一度限りのもの。再現することは不可能ですよね。)、
この願いを抱いていること自体を忘れてしまっていたりして
代わりとなる身近で簡単で安全な方法「甘いお菓子を食べる」という行動をとっていただけ
ということに気が付くかもしれません。
正直な願いですから、あなたにとってかけがえのないものです。
その願いはどうか大切になさってください。
そしてもしその願いがあなたを辛くさせているとしたら、
ひとりで抱えこまず、あなたを理解してくれるかたに、どうかはなしてくださいね。
できそうなことから、工夫を
いかがでしたか?
やめたいのに、やめられない。そんなときは……
〇あらかじめ『「代わり」に何を「する」か』を決めて実行してみる。
〇やめられないことを通じてあなたにもたらさられる肯定的な面をじっくり探し、
じっくり味わって、心から求めているもの「正直な願い」に気づき、
それが満たせるものなら満たすように工夫する。
満たすことができない場合はまずはこの正直な願いを自分で受け止め、大切にする。
そしてこの願いがあなたを辛くさせているのだとしたら
ひとりで抱え込まず、理解してくれるひとにはなしてみる。
できそうなことから、工夫してみてくださいね。
この記事があなたのお役に立ちましたなら、幸いです。