
こんにちは、キャリアカウンセラーのかとうじゅんこです。
前回、春は頑張りすぎに気を付けてほしい、
そこで今からの数か月はメンタルヘルスに気を付けてほしいというお話しをしました。
(前回の「これからの数か月、あなたが最優先にやるべきこと。それは〇〇〇〇〇〇〇に気を付ける」はこちらからどうぞ)
新生活ではストレスがかかりやすいからです。
それなら、
新生活が始まって疲れたときから気を付ければいいのでは?
と思われるかもしれません。
そんなあなたにこそ、続きを読んでいただきたいと思います。
新生活が始まる前にしかできない、重要なことがあるのです。
新生活が始まる前、あなたはどんな状態ですか?
新生活が始まる前、あなたは何をしていますか?
大学生なら卒論、高校生なら受験で大忙しです。
目標達成まであと少しだ!と最後のスパートをしていることでしょう。
ゴールが見えている分、少しの無理もきくし、多少の無理もいとわないでしょう。
そして、これってすごくエネルギーを使っている状態だと思います。
お勤めされている人で異動や転職を控えている人は、
後任への引継ぎ業務と通常の年度末業務で大忙しです。
これもけっこうなエネルギーを要します。
引っ越しを控えている人は、生活道具の準備もしているでしょう。
これも大忙しです。
このように
新生活が始まる前から、
実はものすごく体力気力は消耗している状態なのです。

それでも春からの生活は楽しみでしょうから、準備はぬかりなく!
と気合いが入っているのではないでしょうか。
たとえばこんなふうです。
春からは自分で料理しなきゃだから、調理道具も買わなきゃ、とか
お洗濯もしなきゃだから、洗濯機周りの道具も……
なんていろいろ考えていたりしますよね。
そんなあなたにやってほしい、小さな工夫3選
もしあなたがお料理ビギナーの場合は
敢えて今はこう考えてみてはいかがでしょうか。
「とりあえず、最低限のものが食べられるようにしておけばいいや」
そのためには、次のように工夫してください。
調理道具の用意は、必要最低限のものだけにとどめる。
人によって最低限の料理のレベルは異なるかもしれません。
一汁三菜が最低限だと考える人もいらっしゃるでしょうし、
ごはんに漬物があればそれでよし、という人もいらっしゃるでしょう。
いろんなご意見があることは承知のうえで、それでも声を大にしてお伝えします。
「ご飯を炊いて、納豆のパックをぱかっとあけて、いただきます」
「電子レンジで加熱するだけの白いごはんをチンして、サバの缶詰をあけて、いただきます」
「インスタント味噌汁に適量の乾燥わかめを入れて、沸かしたお湯を注げたのなら、もう最高!」
新生活の最初はこれでも十分りっぱです!!
すごいです!!
初めてのひとり暮らしで、
慣れない環境で勉強や仕事をして、へとへとになって帰宅……というとき、
たとえどんなに簡単な食事をするだけでも面倒に感じることがあると思います。
だからこそ
たとえどんなに簡単でも
こんなふうに自分のために準備ができて、
それを食べて、片付けることができたなら、もうそれでOK!と考えるのです。
そのためには、
新生活に向けた調理道具の準備は必要最低限のものだけを用意します。
お湯が沸かせるやかん(または電気ケトル)
電子レンジ使用可能な大きめの器
炊飯器または電子レンジで炊飯できる炊飯マグカップ
電子レンジ
反対に、次のようなものは敢えて用意しません。これが非常に重要です。
包丁
まな板
ピーラー などなど……
包丁やまな板、ピーラーなどなどは敢えて用意しません。
敢えて用意しない。これが重要なのです。
なぜか。
それは
「せっかく用意した道具を使っていない。ってことは、私ぜんぜん、できてないじゃん……」と
自己嫌悪に陥る恐れをはらんでいるからです。
ん?どういうこと?と思いますか?
想像してみてください。
憧れのひとり暮らし。
毎日は充実している。
料理も頑張ってやった日もあった。
けど、忙しくて、もうヘトヘト……これ以上料理なんてできそうもない。
キッチンを見ると、包丁やまな板が洗われないまま置いてある。
ってことは、私ぜんぜん、できてないのでは……?
料理もがんばろうって決めていたのに……。
想像していたキラキラな新生活とはかけ離れている……。
こんな自己嫌悪に陥る恐れがあるのです。

それならいっそ、道具はあれこれ持たないほうが無難です。
ないものは、使えませんから。
よほど山奥や小さな離島に住んでいるなどでない限り
現代では、まな板も包丁もすぐ手に入ります。
何も今から買わなくても、引っ越し先で十分手に入るでしょう。
新しい生活に少し慣れてきたら、野菜も取り入れてみようかな、と考えてみましょう。
この段階になって初めて
包丁やまな板を用意することを考え始めれば十分なのです。
そういうときの第一歩でも、
まずは包丁やまな板を使わないでできることはないかな?と考えてみてください。
例えば
「電子レンジで加熱したもやしを適量、インスタント味噌汁にトッピング」
これでOK!野菜を食べた!と考えるのです。
もやしだけじゃ足りないわ、というなら
カット野菜という一口大に切られた野菜がパックされた便利なものも売っています。
鍋に水を入れて、切った豆腐や刻んだネギを入れて作る味噌汁などには、
もっと生活になれた頃、そしてお休みの日にでも挑戦すればいいのです。
何も新生活の早々からやらなくていいのです。
最初が肝心なの……
いいや、最初が肝心だ!最初に手抜きを覚えたらだめだ!
真面目なかたならそう思われるでしょう。
そうです。最初が肝心なのです。
最初から無理はしないでください。
そしてこの工夫は手抜きではありません。
小さな成功をひとつずつ踏んでいくことを狙った、非常に戦略的な方法の一つです。
納豆のパックを開けて食べる。缶詰を開けて食べる。
お湯を沸かしてインスタント味噌汁を作り、電子レンジで加熱したもやしやカット野菜を入れる。
誰にでもできそうなほんの少しの作業でもって
食事ができた!という小さな成功を積み重ね、
少しずつできることを増やしていく方法です。

無理をして結局食事が面倒になるとか
料理なんてできっこないとあきらめてしまうとか
そういった状況に陥ることを防げる可能性がぐっと高まります。
無理しないためにも、最初っから料理道具などはあまり用意しないほうがいいのです。
(自炊以外の食事のタイミングで、
学生食堂や社員食堂などで栄養バランスのとれた食事をすることをお忘れなく!)
朝、起きられる?
4月からの生活では、あなたは何時に起床して何時に家を出発しますか?
今ここで、紙に書いて考えてみましょう。
「〇時に家を出るから、朝ごはんの準備と食べるのと身支度にこのくらいの時間がかかることを考えると……、
●時には起きないと」
●時。それは今起きている時刻と同じでしょうか。早いでしょうか。
もしかしたら遅いという場合もあるかもしれません。その場合は、工夫はあまりいらないかもしれません。
この先のお話は、4月からのあなたの起床時刻を、今よりも早めなければならない場合を想定していきます。
新生活での起床時刻を目標として、今から少しずつ起きる時刻を早めていく。
これからひとり暮らしを始めるかたならおそらく、
ほとんどの場合で今よりも早く起きることになると思います。
朝食の準備や片付け、日によってはごみ出しや洗濯なども自分でやる必要が出てくるだろうからです。
例えば、
現在は7時に起きているけれども、
4月からは6時に起きなければならないというとき。
楽しいイベントのある日だけ1時間早く起きるなら、さほど難しくないかもしれません。
でも、毎日毎日今より1時間早く起きるとなると
うーん、ちょっと大変かもしれませんよね。
新生活が始まったとたんにいっきに起床時刻を早めるのは心身ともに辛いですし、
体がその起床時刻に慣れていない場合は、
これまで体に染みついた起床時刻になるまで目が覚めないことも考えられます。
その場合は寝坊で遅刻、なんてことにもなりかねません。
今から少しずつ、新生活での起床時刻に近づけていきましょう。
4月からは今より1時間早く起きる必要があるなら、
3月の末には起床時刻が1時間早くなっていることを目標にするとします。
あなたは明日、今日より1時間早く起き、それを習慣にするのは辛いですか?
(私だったらちょっと辛いかもしれません)
では、明日、少し頑張って、2分早く起きてみることはできそうですか?
「……これなら、なんとかできるかも」
そう思えたなら、読み進めてください。

このとき、例えばですが、3月1日の起床からは
1日当たり2分ずつ起床時刻を早めていきます。
すると30日後の3月30日には
起床時刻は60分早まっていることになります。
毎日、ほんの少し頑張って、「明日は今日より2分早く起きる」を続けるのです。
今日から毎日2分ずつ起床時刻を早めていこう、と考えるのです。
毎日のことなので、体は慣れやすいですし、
2分というハードルはいきなり60分早めるよりは低いでしょう。
(それでも朝の2分は貴重なんだよ……という心と体の声も無視できませんけれども(^^;))
さっそく、明日から始めてみてください。
そのために今すぐできる超簡単なことがあります。
アラームを今日より2分早く鳴るようにセットし直しましょう。
ほとんどの人ができますよね。
快適なひとり暮らし。だからこそ確保しておくべきは〇〇の●●
これは特に、単にひとり暮らしを始めるだけでなく
慣れ親しんだ土地を離れてのひとり暮らしになるかた向けです。
友達も家族もいない、知り合いさえいない土地で一人で暮らし始めると、
孤独を感じたり、何気ないことを聞いてくれる相手がすぐそばにいないことで
不安を覚えることもあると思います。
新天地の学校や職場には気軽に悩みを相談できるカウンセラー等は在籍していますか?
あらかじめ確認しておくことが大事です。
もちろん電話やチャットで家族や古くからの友人と話すこともできます。
それに加えて
あなたが身を置く新しいその場所に相談できる相手がいる
ということも大切なことです。
確保しておくべきは「相談の相手」なのです。
あなたは、これから住む新しい街に
自分に合う美容院はあるかな?とか
気軽に行けるスーパーはあるかな?
と検索したことがあると思います。
そのような感覚で、相談の相手をあらかじめ探しておくのです。
身近に相談できる相手をあらかじめ見つけておく。
身近に見つからないときは、オンラインで相談にのってくれるカウンセラー等をあらかじめ見つけておく。
気軽に悩みを相談できるカウンセラー等がいない場合は、
オンラインなどで相談できるカウンセラーを今のうちから探しておくことも一つの手段です。
可能なら、一度カウンセラーと話してみることをおすすめします。
辛くなってからですと、カウンセラー探しをすることさえ大変かもしれません。
人は誰しも悩んでいるときは視野が狭くなります。
「カウンセラーに相談する」ということに気が付かないほど思いつめてからですと、
あなたが相談の場や相談の相手(カウンセラー等)にたどりつくことが難しくなってくるかもしれません。
あなたもネットニュースやテレビのニュースで見聞きしたことがあるでしょう。
芸能人や有名なかたが自ら命を絶つなどしたとき。
そのニュースとセットで、悩みを相談する無料ダイヤルや相談先が必ずと言っていいほど紹介されています。
辛いときは、相談してほしい。
思いつめるようなことがあるなら、相談してほしい。
必死な想いが伝わってきます。
そして、
カウンセラーの立場から言えば、
辛さの度合いができるだけ小さいうちに相談していただけたらな、と強く思うのです。
まるでかかりつけ医のような感覚で、
いいえ、もっと気軽に、自分に合う美容師さんを探すような感覚で
平時のうちにあなたに合うカウンセラーを見つけておいてほしいと思います。

辛さの度合いが小さいうちなら
元気を取り戻すにかかる時間は
単純に考えると辛さの度合いが大きいときよりは短いと考えられるからです。
また悩み苦しむ時間を少しでも減らせれば、
その分あなたは自分の能力を発揮していきいきと幸せを感じながら活躍できる時間が増えるからです。
それはきっと、あなただけでなく周りの人も幸せにすることにつながります。
もちろん、ぎりぎりまで相談などせずご自分ひとりで頑張っていくときもあるでしょう。
乗り切ることができるかもしれません。
それでもやはり、
乗り切れなくなったときはすごく辛くなってからの相談になるかもしれませんが、
相談したほうがいいと思います。ぜひ相談してください。
繰り返しになりますが、人は誰しも悩んでいるとき、視野が狭くなります。
自分ひとりでは視野が狭くなっていることに気づけません。
気づけないからこそ、考えや行動が極端に狭まったり偏ったりします。
こういうときは自分ひとりで悩み続けるより、
カウンセラーなど適切な他者と対話することが非常に重要になってきます。
こういった背景があるので
ストレスが強くかかると分かっている時期よりも早い段階、
つまり新生活が始まる前である今の時期に相談相手を見つけておいていただきたいのです。
まとめ
それでは、おさらいしましょう。
ひとり暮らしを始める人、必見!です。
工夫1:調理道具の用意は、必要最低限のものだけにとどめる。
(例)
お湯が沸かせるやかん(または電気ケトル)
電子レンジ使用可能な大きめの器
炊飯器または電子レンジで炊飯できる炊飯マグカップ
電子レンジ
注意!!
×まな板、包丁、ピーラー(今はこれらを用意しない。新生活に慣れてから購入を検討しても十分)
工夫2:新生活での起床時刻を目標として、今から少しずつ起きる時刻を早めていく。
(例)今すぐアラームを今日より2分早い時間でセットする。
工夫3:身近に相談できる相手をあらかじめ見つけておく。
またはオンラインで相談にのってくれるカウンセラー等をあらかじめ見つけておく。
いかがでしたか?
どれも小さな取り組みだと思いませんか。
もし
今より2分早く起きる努力が続けられない、どうしたらできるの??
ですとか
もっと自分に合った工夫の仕方を考えたいけど
何が自分に合う工夫なのかわからない
とかというとき。
また、
身近に相談できるお相手が見つからない、
新生活に慣れることができず辛い、
望んで選んだ進路なのに、入学または就職してみたところ、なんか違う気がする……。
そういう時には、
あなたとみち応援室を頼ってください。
カウンセリング、コーチング、キャリアコンサルタントの資格を持った
キャリアカウンセラーがじっくりとお聴きいたします。
これまでのこと、これからのことをご一緒に考えていきましょう。
そして
あなたにぴったりの工夫の仕方に出会ってみませんか?
この記事があなたのお役にたてましたなら幸いです。